伝えたい情報を直感的にわかるように、グラフィカルに表現する「インフォグラフィック」。この「相手がぱっとわかるように工夫する」という考え方のクセそのものが、コミュニケーション上手にしてくれるはず。本連載は、情報をよりわかりやすく、という枠を超え、発想そのものを広げるための教科書だと思ってください。どうやってこのアウトプットに辿り着いたか、発想のスタート地点から解説していくことで、「考え方のプロセスと構造」がわかります。今回は、お経といえばコレというくらい有名な「般若心経」に挑みます!

表意文字のロジカルと
表形文字のビジュアルが渾然一体

 唐突ですが、今回の作品、発端は紀元前6~7世紀。そして、制作クレジットをつけるすればとこうなります。

 ■コピーコンセプト=釈尊(口頭伝承による)
 ■訳=玄奘(三蔵法師)
 ■ビジュアル化=石黒謙吾(分類王)
 ■アイコン作成=小宮山秀明

 ではまず、【インフォグラフィック完成版】をご覧ください。

「般若心経」119種類の文字を「アイコン化」 <br />画期的でオシャレな超インフォグラフィックグラフィック作成/小宮山秀明
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「般若心経」についてちゃんと書くとものすごく長くなるので、超大雑把に言うと、ゴーダマ・シッダールダ、すなわちお釈迦様の説いていたことがまとめられたお経を、中国で訳したのが、西遊記で有名な三蔵法師こと玄奘。これが日本で広まっている般若心経です。

 僕が昔から般若心経を面白いと思っていたのは、そこに込められている内容ではなく、表意文字のロジカル的意味合いと、表形文字のビジュアル的意味合いが混在している印象があったから。調べてもおらず深くは知らなかったのですが。