注目の長崎知事選は、自民・公明両党の支援を受けた中村法道氏が当選した。民主党など与党3党が推薦した橋本剛氏を、約8万表票も引き離した大勝であった。

 民主党は昨年の衆院選では、長崎県内4選挙区を独占。そのわずか半年後の大敗は民主党にとって、大きな痛手となった。

世間は想像以上に
「政治とカネ」への不信感が強い

 この選挙結果について鳩山由紀夫首相、小沢一郎幹事長は、共に「政治とカネ」の問題が影響したことを率直に認めている。

 読売新聞の出口調査でも、この問題を投票の判断材料にした人が約4割に達している。このままでは、鳩山内閣の支持率低下に歯止めがかからず、夏の参院選勝利も難しくなった。

 朝日新聞の世論調査(2月20、21日実施)によると、内閣支持率は37%と、初めて4割を下回った。他紙の調査でもほぼ同様の傾向が表れている。

 また、「政治とカネ」をめぐる小沢氏の問題については、小沢氏が国会で「説明すべきだ」とする人が81%に上り、鳩山首相の政治資金問題についても、首相のこれまでの対応に「納得できない」という人が75%と4分の3に上る一方で、「納得できる」という人が16%にとどまっている。

 2人が「政治とカネ」問題の選挙への影響を認めているのは評価できるが、認めるだけでは何も始まらない。大半の人が「納得できる」ように懸命の努力が必要だ。少なくとも「納得できる」人が5割を越えなければ、潔く身を引くべきだろう。

 今回の「政治とカネ」問題に対しての一般の人たちの印象を甘く見ることはできない。おそらく、2人が考えている以上に根が深いのである。