先週の総括

 先週の日経平均株価は前半17000円台で推移していたものの、インド政府が外国人投資家に対する規制案を公表すると、インドの株式指数であるSENSEX30が9.2%の下落、日経平均株価もインド株の下落を受け17000円を割り込んだ。その後、インド当局から海外からの投資を今後も歓迎するとの声明が発表され反発、一時17000円台を回復した。

 しかし米国の利下げ期待から115円を割り込む円高が進んだこと、再びインド株が下落したことから週末に急落、日経平均株価は前週の終値から3.0%下落の16814円で取引を終えた。東証1部の8割が下落する全面安となった。

 大型主力株は軟調であったが、新興市場株がしっかりとした動きであった。中でも米国ヤフーが好決算を発表し、ネット関連株が物色された。業種ではアコムが業績上方修正を発表し、消費者金融株が買われた。

今週の予報

銀行業種:景気回復期待で「晴れ」

銀行株への見直し買いに注目

 今週の日本株市場は週末G7での声明及び個別銘柄の中間決算発表がポイントとなる。業績上方修正銘柄が素直に好感されているためここから日経平均株価が大きく下げることは無いであろう。日経平均株価は16500円~17000円の狭い水準での動きを予想する。

 先週末は大きく下げたものの、この数週間銀行株が元気だ。銀行株といえば、代表銘柄であるみずほファイナンシャルグループが7月末に発表した第14半期決算が前年同期比で半減し、好決算を予想していた市場参加者にショックが走った。

 この「みずほショック」が尾を引き、銀行業種指数は8月・9月とTOPIXの騰落率を大幅に下回った。10月に入り反発しているが、「単なるテクニカルリバウンド」という冷めた見方が多い。

 だがこの数年銀行株は景気回復期待時に物色される「景気敏感株」との色彩が強い。過去最高水準を記録した8月鉱工業生産指数、9月の銀行貸出の増加率をみても、業績は今後改善してくることを予想している。

今回のポイント(まとめ)

 ここ数年、海外の景気の影響を強く受ける業種が大幅に上昇し、銀行を代表とする日本の内需の影響を強く受ける業種は蚊帳の外だった。サブプライム問題、円高を契機にこの流れは反転するものと考えている。