先週の総括

 先週の日経平均株価は、週初急落することもあったが、8500円に近付くと押し目買いも入り、全体としては動意薄でもみ合いに終始することとなった。

 21日はバンク・オブ・アメリカが発表した1~3月期の決算で貸倒れ引当金が大幅に積み増しされていたことを嫌気し、前日の米国株式市場が急落、日経平均株価も200円越の下落となった。

 しかし、その後はすかさず押し目買いも入り、堅調な動きとなった。決算発表前であること、24日にワシントンで開かれる中央銀行総裁会議(G7)と20ヵ国財務相会議を控え、どちらにも動きにくい雰囲気となっている。結局、前週末2.2%安い8707円で引けた。

 規模別には、大型株の下落が大きかった。新興市場に資金が流入し、マザーズ指数は前週末比7.2%の大幅上昇。業種別には、紙パルプ、電機、ガラス土石のみ上昇した。一方で鉱業、その他金融、卸売りが大きく下落した。

今週の予報

ITサービス業界:官公需は安定しているものの、業界全体に不透明感が強く「曇」→「雨」

曇 雨

 今週の日経平均株価は、引き続きもみ合いとなりそうだ。4月末から本格化する決算発表を前に、動き辛い展開となっている。マクロ経済指標は底打ちを示す指標と悪化を示す指標が混在しており、決め手となりかねている。

 テクニカル指標で一時の過熱感がなくなったことは、好材料である。また投資家心理もここ数週間で改善しており、深押しはなさそうだ。

 一方で、日経平均株価の平均的な年間変動率は30%程度であり、7000円安値から9000円近くまで上昇したことを勘案すると、9000円を大きく上回る可能性も低い。