男女ともに恋人のいる割合がもっとも低く、男性はそもそも出かけないThe草食系、女性は自分大好き/ひとりが大好き――。中国、シンガポール、ブラジル、ロシアと比べたとき、日本の若者にはこんな傾向が見られるという。今回は、こう分析されてしまったこの調査の詳細を見ていくことにしよう。

 調査は、マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが実施した「意識・感覚に関する5カ国調査」。調査時期は2014年6月12日~18日。調査対象は20~49歳の男女、各国300人ずつ(合計1500人)。調査地域は、日本、中国(北京100人、上海100人、広州100人)、ロシア、シンガポール、ブラジル。調査方法はインターネット。

「パートナーがいる人」が少なく
男女ともコミュニケーション不足気味な日本

 アンケートでは5ヵ国の男女に対し、待ち合わせで待てる時間や、恋人や友人を自宅に招く頻度、デートの際に支払う側についてなど25項目の設問を実施。5ヵ国比較したところ、次のような特徴が読み取れたという。特徴についての分析は、クロス・マーケティング社が行ったもの。

■男性編
日本:そもそも出かけないThe草食系
中国:律儀なジェントルマン
ロシア:ロマンチストか尻に敷かれタイプ
シンガポール:バランス/目立った特徴なし
ブラジル:ルーズ・俺様タイプ

■女性編
日本:自分大好き/ひとりが大好き
中国:時間管理徹底タイプ
ロシア:寛容な“かまってちゃん”
シンガポール:バランス/目立った特徴なし
ブラジル:女王様気質

 この特徴だけ見ると、「ブラジルは俺様と女王様ばかりの国で大丈夫なのか」「日本の若者はそんなに他者とのコミュニケーションに興味がないのか」「シンガポールは確かに国民性の印象がないかも」といった感想が湧いてくる。数問のアンケートから全てがわかるわけではもちろんないが、国によっての傾向が見えてくるのは面白いことだ。

 それではなぜ日本が「そもそも出かけないThe草食系」「自分大好き/ひとりが大好き」と分析されたのか。理由を見てみよう。

 日本が他国と比べて特徴的だったのは、「自宅に知人・友人・恋人を招く頻度」を聞いた質問。男性の73%が「半年に1回以下」と答え、他国の同回答者の割合(中国=6%、ロシア=12%、シンガポール=40.6%、ブラジル=17.9%)と比べて突出して高かった。女性も56%が「半年に1回以下」と回答し、5ヵ国の中で最も多かった。

 そもそも日本ではホームパーティーの文化が薄いことや、住環境の問題もあるのかもしれない。しかし、それでは外食の頻度が多いのかといえば、そうでもないようだ。恋人がいる人限定で「デートの相手と外食する頻度」を聞いたところ、日本人男性は「年に1回以下」と回答した人が30%、日本人女性は25%でどちらも5ヵ国中最も多かった。

 また、パートナーがいる人の数は、日本人男性(122人/300人中)、日本人女性(130人/300人中)で、これも5ヵ国中で最も少なかった。