来年2015年は日韓国交正常化50周年だ。その節目を前に、現在の日韓関係は、この50年間でもっとも悪い状態だといわれている。竹島問題や歴史認識問題など、両国間には積年の問題が横たわり、解決の糸口はおろか、政府間の対話さえも成立していない。この状況をなんとか好転させようと、韓国のシンクタンク、アジア研究院(EAI:East Asia Institute)と「言論外交」を掲げる日本の言論NPOが、「第2回日韓未来対話」を7月18日(金)にソウルで開催した。当日は率直な意見が日韓双方から出され、その対話の中には、突破口となる可能性を秘めた2つのポイントがあった。(取材・文/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

無理解と無関心が
感情悪化を生む

「あの国は嫌い、でも実際にはよく知らない――」

 7月11日に言論NPOが発表した「第2回日韓共同世論調査」の結果から日韓両国の国民の反韓、反日感情を端的に表現すると、上記のようになるのではないだろうか。

*以下のグラフの出所はすべて『第2回日韓共同世論調査』より抜粋。特定非営利活動法人言論NPO、東アジア研究員、調査協力:世論総合研究所(日本)、Hankookリサーチ(韓国)、2014年7月。詳細はこちら(http://www.genron-npo.net/world/genre/cat212/post-287.html

最悪の両国関係のなか開かれた日韓未来対話 <br />「自省」と「対中戦略」は突破口となるか

 調査結果では、実に日本世論の54.4%が韓国に対して悪い印象を持ち、韓国世論は70.9%が日本に対して悪い印象を持つという結果になった(図表1)。理由は「歴史問題」がトップにきており、次に「竹島・独島をめぐる領土対立」が挙げられた(図表2)。領土対立は、両国民が考える日韓関係の発展を妨げるものとして圧倒的なトップになっている(図表3)。