心理学者・アドラーの教えをわかりやすく説き40万部のベストセラーとなった『嫌われる勇気』。 一方、お笑いの世界でも近年、嫌われ芸人たちが大活躍している。ゲスすぎる、ナルシスト、文化人気取り……色々なタイプの嫌われ 芸人が、世間に後ろ指を指されながらも力強く芸能界をサバイブしている。どうすれば我々も「嫌われる勇気」を持つことができるのか? 彼らの生きざまから それを学んでみよう!
総合エンタテイメント雑誌『FLASHスペシャル2014盛夏号』とのコラボ企画である本連載の第3回は、自分大好きなナルシスト芸人、ノンスタイルの井上裕介さん。

僕のことを
愛してくれてる人もいる

嫌われてるという事は、<br />好かれるチャンスがめぐってきた事なんだよノンスタイル・井上裕介(いのうえ・ゆうすけ)
自分大好きなナルシスト芸人。1980年生まれ。大阪府出身。2000年、石田明と「NON STYLE」を結成。2008年「M-1グランプリ」優勝。「吉本ブサイクランキング」では2012〜2014年度に3年連続1位を獲得して殿堂入りを果たしている。井上初の単行本『スーパー・ポジティヴ・シンキング〜日本一嫌われている芸能人が毎日笑顔でいる理由〜』がワニブックスより発売中。

 僕は自分が嫌われているとは思っていないです。ただ、好きと嫌いの両方あって当たり前やと思うので、嫌われることは普通なんだと思っておくのがいいんじゃないかなって。嫌われないように嫌われないようにと行動したところで、生理的に合わないヤツは嫌いになりますから。もう、合うか合わないかでしかないと思うんです。

 僕がいちばんイヤなのは、好きでも嫌いでもなくて、無関心。嫌いなものを克服するのはわりと簡単ですけど、無関心なものに興味を持つのは難しい。だから僕は「ゼロじゃない」という意味で、嫌われることにも感謝するほうがいいんじゃないかと思いますね。感情が生まれてるという時点でいいことやと思ってるんで。

 それに、そんな嫌われてる僕のことでも、好きだと言って集まってくれる人がいる。僕は一人じゃない。家族が僕のことを愛してくれてるし、先輩にもかわいがってもらってるし、今までつき合ってきた彼女だってそうやし。誰かに嫌われたとしても、そんなヤツを愛してくれる人もいっぱいいるんやって思えるんですよ。