語学教育の総合カンパニー“アルク”。日本人向けの英語教育や教材開発を展開してきた同社が、オンライン英会話に参入した。創業以来45年の歴史の中で蓄積された学習のノウハウを活用しながら、世界各国に滞在する講師が1対1で対応する。英語教育のリーディングカンパニーが本格的に取り組むアウトプットのサービスに、今注目が集まっている。

アルク
野田 亨 代表取締役社長

 アルク野田亨社長は、「当社はこれまで、インプット・インテイクの学習を重視し、あえて語学スクールに参入せず、自ら能動的に学習するための語学教材や書籍を提供してきました。しかし時代が変わり、現在は会話でのコミュニケーション能力が多く求められています。そこで、定評のあるインプット・インテイクの学習に加え、最新のテクノロジーを駆使して、アウトプット、つまり会話をトレーニングする場を提供することにしたのです」とオンライン英会話参入の背景を語る。

 今、英語学習の世界では、「Skype」を利用したオンライン英会話教室が数多く出現している。アルクがそれら新規参入の事業者と決定的に違うのは、1969年の創業以来、45年間で培われてきた適切なメソッドや効果的な学習方法が、最大限に生かされている点にある。

オンライン英会話と
“自学習”の組み合わせ

 アルクといえば、「ENGLISH JOURNAL」などの英語雑誌や、受講者数延べ120万人の通信講座「ヒアリングマラソン」シリーズなどの実績を誇る語学教育の総合カンパニーだ。今回のオンライン英会話は、同社が2年間の準備期間を経てコンテンツと講師陣を充実させ、自信を持って参入するもの。まさに“満を持して”という形容詞がふさわしい。

 例えば「ビジネス英会話“Global English”」(初級・中級)のレッスン。アルクのビジネス英単語・表現データベース「ALC Global English 1500」から、各レベルの学習者向けにセレクトされた最重要単語を、例文と共に覚えて使う練習ができるコースになっている。また「日常英会話」では、学校で既に学んできた英文法の中から、会話で役立つ表現を厳選した独自教材「Building Up the Basics」を使用、実際の会話の中で、文法や表現を自由に使いこなせることを目指す。

「アルクの学びの特色は、事前の予習やレッスン後の復習を大切にしている点にあります」(野田社長)。ビジネス英会話であれば、事前に教材をダウンロードしての予習が必須となる。

「語学というのは、かけた時間と習熟度は正比例します。レッスンの時間だけ集中すれば上達するわけではありません。レッスン前後の自学習をしっかり行うことで、効率よく学ぶことができるのです。当社が自信を持って開発をしたオンライン英会話で学習のモチベーションを保ちながら、自学習を効果的に組み合わせる。そうすることで、確実に英語力が向上します」と野田社長は胸を張る。