民主党は16日、両院議員総会を開き、新役員体制を決めた。

 それによると、要(かなめ)の幹事長に枝野幸男元官房長官、代表代行に岡田克也元副総理を配し、ベテラン中心の体制を固めた。

 挨拶に立った海江田万里代表は「自民党に対峙していく姿勢を固める」と、野党姿勢を強める決意を表明した。この新しい民主党体制に希望を感じた人は少なくないだろう。

最強の基盤を整えた安倍政権
ようやく動き始めた野党「3つの動き」

 現在の政界は自民党の一強多弱と言われている。その上、内閣改造を経て、自民党内も安倍晋三首相の一強多弱体制が確立したように見える。

 だが、安倍首相の行く手には多くのハードルが待っている。とりわけ高いハードルは、①景気、②消費税増税、③集団的自衛権、④原発再稼働の4つだ。TPP問題もそれらに匹敵するほど大きい。反対者が多い課題をゴリ押しすれば、そのたびに支持率は10%近く下落していくことは避けられないだろう。

 しかし、どんなに支持率が下落しても、党内に対抗勢力がなく、政界に有力野党が存在しなければ乗り切れる。安倍首相の計算はそんなところだろう。

 自民党、そして安倍政権が最強の基盤を整えたところで、野党にもようやく対応する動きが出てきた。

(1)結いの党と日本維新の会は合流し、9月21日に新党「維新の党」の結党大会を開く(11日東京新聞)。

(2)みんなの党は、“与党再編”の渡辺喜美前代表と、野党再編の浅尾慶一郎代表の基本的な意見の違いが表面化。渡辺氏は「野党再編での政策実現は難しい。野党再編に走るのではあれば浅尾慶一郎代表には辞めていただきたい」と公言し、分裂必至の事態となっている(11日朝日新聞)

(3)冒頭でも述べたように、民主党の海江田万里代表は、枝野幸男元官房長官に幹事長就任を要請し、枝野氏は12日、これを承諾(13日読売新聞)。民主党は新体制を築いた。