任天堂のファミリーコンピューターが登場して30年余り。今やソフトで遊ぶゲームはもちろんのこと、2008年頃から台頭してきたオンラインゲームも人気を集めている。オンラインゲームが流行しはじめて以来、バンダイナムコゲームスが頭を悩ませてきたのが、アクセス数のムラの大きさだった。

 人気ゲームともなれば、ファンの数はすさまじい。たとえば、かわいいアイドルたちをプロデュースする育成ゲーム「アイドルマスター」が、さいたまスーパーアリーナで開催したイベントには、2日間で3万5000人ものファンが詰めかけた。

 こうしたファンたちが、新しいゲームが出たり、マスメディアで紹介されたり、さらにはイベント時などにいっせいにサイトにアクセスをしてくると、サーバーの負荷が一気に増す。「通常時の10倍以上もの負荷がかかることもある」(國藤真伯・第2事業本部システム部システム1課マネージャー)といい、サーバーが落ちてユーザーからクレームが来ることもしばしばだった。

自前でのサーバー増強は限界
アマゾンの決め手はグローバル展開

 最初は自前でサーバーを買って増強していたが、スポット的にアクセス数が激増するタイミングのためだけに、設備を増やすわけにはいかない。クラウドを活用することで、従量課金に切り替えれば、コストを削減することができる。

 いくつものベンダーを検討したというが、最終的に同社が選んだのがアマゾンウェブサービス(AWS)のクラウド。AWSは料金の安さで知られるが、「それだけでなく、先行してサービスを提供しているから機能が充実している」(田村雄也・第2事業本部システム部システム1課チーフ)。