週刊ダイヤモンド11月15日号(11月9日発売)の第1特集「ビジネスマンの必須教養 『宗教』を学ぶ」の中から注目の記事を特別公開する。

 2014年7月、米「ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)」の電子版が配信した記事が、宗教関係者の耳目を集めた。

「グーグルは神に取って代わっているのか」

 記事は、米誌「MITテクノロジーレビュー」が報じたある統計分析を基に構成されたもの。米シカゴ大学の調査データを、米オーリン大学の教授が分析したところ、米国で無宗教を自任する人の割合が、1990年の8%から、10年に18%まで増えていたというのだ。これは、人口にすると、2500万人になる。

 一体なぜなのか。

 データを分析したアレン・ダウニー教授は、教育や宗教的なしつけ、社会経済学などさまざまな分析を試みる中で、この低下は、インターネット利用者の増加によるという説を提示した。つまり、この20年間におけるネットの普及は、米国人の宗教信仰の低下に寄与した可能性があるというのだ。

 80年代まで、文字通りゼロだったネット使用者の割合が、10年には週に2時間以上使用する人が53%に上り、7時間以上使用する人も25%にまでなった。

 図3‐3を見れば分かるように、このネット人口の増加は、無宗教人口の増加とかなりマッチしている。