シェアオフィス激戦区の渋谷で<br />働き方の変革が静かに進行中渋谷駅から近いシェアオフィス「PoRTAL」のワークスペース。運営するひつじインキュベーション・スクエアの北川大祐さん(右)と、契約者である映像を中心としたコミュニケーション・プロデューサーの鈴木丈介さん(左) Photo:DOL

映像クリエイターが選んだ基準は
「居心地のよさ」

 複数の入居者がフリーアドレスでワークスペースを共有する「シェアオフィス」が都内を中心に次々とオープンしている。利用者の多くは、起業家やフリーランスで働く人たちだ。

 広告宣伝やテレビCM、プロモーション映像などの企画制作を手掛ける、ジェイワークス代表の鈴木丈介さんもその1人。職場は自宅を兼ねて世田谷にあるが、約2年前から渋谷のシェアオフィス「PoRTAL(ポータル)」を利用している。

「仕事柄、スタッフとの打合せやEメールでのやりとり多いので、交通の便がいい渋谷に拠点がほしかったんです。以前はいくつかのネットカフェを使っていましたが、話し声がうるさかったり人の目が気になったり、何だか居心地が悪い。ここなら1ヵ所にずっといられるから慣れれば安心ですし、リラックスできる環境も気に入っていますね」

 現在はスケジュールに合わせて週2~3回利用しているという。

 PoRTALは、全席フリーアドレス制(今後、固定席も設ける予定)で、開放的なワークスペースとオシャレな空間が特徴(写真参照)。鈴木さんも「ここを選んだのは、自分にとって居心地がいいから」と満足げだ。

 たしかに、ヴィンテージの家具や観葉植物、本・雑誌などがバランスよく配置された部屋は、まるでアトリエのようにも感じられる。モノを創り出す感性を養うには環境も大切。鈴木さんにはぴったりマッチしたようだ。