本や雑誌を収集する男親。
捨てるに捨てられなくて……どうする?

 以前、ある男性から相談を受けたことがあります。
 そのご相談とは、「父が新聞4紙を40年以上も捨てないで収集している。どうにかならないだろうか」というものでした。
あまりの重さに2階の床が抜けそうだという切実なお悩みでした(実際、捨てるときには2トントラック1台分になりました)。

 このお父様に限らず、実家の片づけの現場でよく直面するのが、男親の「収集癖」です。女親に比べ、収集することに楽しみを抱く傾向の強い男親の場合、趣味の道具を片づけるのがひと苦労、というケースも少なくありません。

 実家の片づけの中でも、本や雑誌の片づけは手間のかかるものの代表格でもあります。では、親とケンカすることなく、なおかつリバウンドもしない片づけ方とはいったいどういうものなのでしょうか?

 まず最初は、本棚の中のものを「捨てる」「一時保管箱(一時的にとりあえず保管しておく箱)」「捨てない」の3つに分類していきます。このとき、手元に残すと判断したものを見ると、親が今何に興味を持っているのか、何に悩んでいるのかがわかる場合があります。

 たとえば、私がお伺いしたお宅でもハーブの本や刺繍の本などを残している方はたくさんいらっしゃいます。また、ダイエットやコレステロールを下げるといった健康本などは、現在の悩みと直結しやすいものです。手に取りやすい本棚の中段にまとめてしまっておきましょう。

 その際、ぎゅうぎゅうに詰め過ぎず、かといってスカスカにしないことがポイントです。ぎゅうぎゅうに詰め込みすぎると、取り出したものをしまえず、本棚の前に積んでしまう恐れがあるからです。また、逆に余裕がありすぎると、まだまだ買ってもいいんだと余計なものまで勝手しまう恐れもあります。2割ぐらいの余裕を残しておくのがベストでしょう。