未曾有の経済危機を1人で生きていくのは、つらいと考えるのだろうか。「エキサイト恋愛結婚」はインターネットでの恋人と結婚相手の仲介サービス最大手だが、昨年9月のリーマンショック以降、加入者が急増している。

 エキサイトは伊藤忠グループに属する、ネット関連の会社。同社の恋人・結婚仲介サービスの新規加入者は昨秋以降、前月比数10パーセント増で推移、8月に2万2000人だった総加入者は、今年3月中旬には2万6000人を超えた。その特徴は破格の料金設定にある。

 ネットを介さない大手の結婚紹介所では、会費などの合計は数十万円に達する。ところが、エキサイトの場合、男性は毎月1890円、女性は無料~525円と格安なのだ。

 それでいて、安全性や機能のレベルも、決して低くはない。

 入会には運転免許などによる本人確認が必須。本人が希望すれば源泉徴収票、卒業証明書などが表示可能で、身元の信頼性が担保されている。ここが、出会い系サイトとの大きな違いだ。

 また、会員は仕事や趣味、金銭感覚など80項目を入力することができる。「禁煙、スポーツが好き」などと検索し、表示された相手にメールで連絡を取り、気に入れば実際に会うという仕組みだ。

 その後、交際が決まれば退会となる。退会者の全員が結婚するわけではないが、すでに1万7700人が退会している。

 会員の急増について、角倉恵美・エキサイトデジタルコミュニケーション部プロデューサーは「先行きが不透明ななか、結婚して安心したいと思う人が増えているのではないか」と分析する。

 それを証明するかのように、最近は「公務員」という職種の検索が増えているという。

(『週刊ダイヤモンド』編集部  清水量介)