2015年の世界の成長は足踏み、
期待は日米の改善

 図表1は、みずほ総合研究所が四半期ごとに改訂している『内外経済見通し』をまとめた、世界の成長率の展望である。2014年の日本の成長率を振り返れば「期待外れ」が続き、まさに「我慢の局面」であった。すなわち、2014年4~6月期、7~9月期と2期四半期連続のマイナス成長では、景気後退局面とされかねない状況だった。

 グローバルにも「長期停滞論」が根強く語られ、世界的な減速不安が原油価格の暴落につながった。その結果、米国以外の国々が軒並み金融緩和に走る異例な金融環境となった。

 ただし、今年2月16日に発表された日本の2014年10~12月期のGDPが3四半期ぶりのプラス成長になり、ようやく2014年の短期的な減速の底入れが確認できる状況になってきた。世界的には足踏み状態であり、米国の回復に過度に依存する不確実性を抱えるが、日本経済は「トリプルメリット」で2015年にかけての見通しが予想以上に改善しやすい状況にあると、引き続き考えている。

足踏み世界経済が頼りにする米国の「もやもや感」

2015年度、トリプルメリットと
実質賃金増に支えられる日本経済

 下記の図表2は、ストーリーラインとしてきた日本経済の「トリプルメリット」をまとめたもので、日本の2015年度の成長率見通し2.1%のうち1%強を占めている。その3要因は、(1)金融緩和による円安・株高、(2)消費増税先送りも含めた財政面による支え、(3)原油価格下落、によるものだ。世界的には停滞の不安が続くが、日本経済は予想以上の回復に向かう可能性がある。