がんばれ社長!の武沢信行氏との対談。同じ商品を売っていたセールス仲間であり、苦難をともに知る2人が、営業における現在の境遇と本来あるべき姿を語る。
『「3つの言葉」だけで売上が伸びる質問型営業』の著者・青木毅氏による連載第6回。 (撮影/熊谷章)

営業から会社を変えていくためには?

会社は「営業」から変われる!武沢 信行(たけざわ・のぶゆき) 経営コンサルタント、作家。1955年岐阜県生まれ、愛知県在住。製造業、小売業、教材販売会社経営を経たのち、1994年に経営コンサルティング会社有限会社がんばれ社長を設立し現在にいたる。 2000年8月に経営者向け日刊メールマガジン「がんばれ社長!今日のポイント」の配信を開始。15年を経て現在、読者数2万5000人強に毎日配信中。愛知中小企業団体では17年間、計700社の経営計画書作成支援をしてきた。海外で働く日本人起業家の会「和僑会」の設立に参画し、香港、上海、北京、台湾、バンコクなどでも経営計画づくりの講義を行ってきた。埼玉、長野、山形、広島、岐阜の中小企業振興公社「経営自立化塾」のメイン講師を担当。富士通、ニフティ、NEC、リョービ、日本経営合理化協会、船井総合研究所「コスモスクラブ」、ソフトブレーンサービス、サンウエーブ、ジューテック、ニューズ・ツー・ユー、ゴトウ経営(滋賀ダイハツ)輝き塾、日本ダイカスト工業組合、NWB協議会、日本青年会議所、JC青年の船とうかい号、山口銀行、百十四銀行、各地の「非凡会」、海外異業種交流会「和僑会」、「沖縄・琉球維新の会」など、講演研修実績多数。

青木 今、「営業」が一番つきたくない職種だそうです。

武沢 ……実は、私も「営業」のイメージが低かったんです。

青木 えっ! そうなの⁉

武沢 当時、営業にやりがいを求めようと、その手助けとなる本を探していたら、『私はどうして販売外交に成功したか』に出合いました。買ってすぐファストフード店に入って、あっと言う間に読んでしまった。あれがなければ、営業の人生観は変わっていなかったかもしれません。

青木 それはいい出合いでしたね。

武沢 はい。誇りをもって、営業マンになれた瞬間でした。それまでの自分は、お客様に断られたり、商材が売れなくなったりして、セルフイメージが乏しくなっていた時期でしたから。

青木本書に書きましたが、私もオグ・マンディーノ氏の本を読んで、営業に対する考え方が変わりました。本から学ぶことも多いですが、最近、会社のなかで営業の良さを教えてくれる先輩がいなくなりましたね。逆に、先輩が情けない姿を後輩に見せている。訪問先から帰ってきたら愚痴を言って、飲み屋でもさらに愚痴を言って……。私のHPにくる人の多くは、「つらい」「苦しい」というキーワードで検索してきているんです。

武沢 つらそうにしている人、営業のイメージはそのように映るのでしょうか。

 私がコンサルティングを通して見てきたなかで、うまくいっている会社は営業がかっこいい。営業から役員になっていくような会社はうまくいっていますね。そうではないところは、会社全体が沈滞気味。まずは、営業像を変えていかねばなりません営業は本来、会社の飛車角を担う存在。GPSを付けているところがあるなんて聞きますけど、それではダメですね。