エクセルの計算ミスは、個人よりもチームに原因がある場合が多いものです。チームで徹底すべき「エクセルのルール」とは!?『ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術』の著者・熊野整氏による連載第14回。

 拙著『ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術』では、計算ミスを減らすための工夫について細かく説明しています。計算ミスを減らすには、個人のスキルもさることながら、チームワークが極めて重要です。

 みなさんにまず認識してもらいたいのは、計算ミスが起きるきっかけは、多くの場合、ほかの人とのエクセルファイルの共有にある、ということです。チームメンバーから受け取ったファイルをきちんと理解できないことからミスが起きます。

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 たとえば、どれが最新のファイルかわからなくなったとか、優秀な人が難しいエクセルの計算をして、ほかのメンバーがついていけずに計算ミスを見つけられなかった、といったトラブルが起きます。

 そこで、ファイルを共有してもミスをしないような仕事の仕方、取り組みが非常に重要になります。ミスをしないためのルールやカルチャーをしっかり作らなければ、計算ミスは絶対に減りません。言い換えると、チームの1人だけが正しくエクセルを使っていても、意味がないということです。チームや組織全体で、計算ミスが起きないルール、カルチャーを作る努力をすることがとても重要です。

 そのルールですが、ポイントは2つあります。1つは、計算をする人を1人に決めること。これはけっこう大事です。