セブン-イレブン・ジャパンが揺れている。

 同社(本部)のフランチャイズチェーンに加盟するオーナー10人が24時間営業を強要されたとして、また、別のオーナーは消費期限間近の弁当などを値下げして売る「見切り販売」を制限され損失を被ったとして、相次いで本部を提訴した。一方、本部は重大な契約違反があったとして、オーナー3人に加盟契約解除を通告。本部とオーナー間のいざこざが続いている。

 特に、加盟契約解除は他のオーナーに波紋を広げている。あるオーナーは「生活の基盤を失うかもと思うと、怖くてこれからはなにも言えない」と語り、別のあるオーナーは「もめているオーナーを本部が早く追い出さないと、チェーン全体のイメージが損なわれる」と現状に不満を漏らす。

 本部は契約解除を通告した3人のオーナーについて、「通告以前から改善の要望を書面や口頭で複数回伝えていたが改善されず、これ以上の契約継続は困難と判断し契約解除に踏み切った」と言う。

 当のオーナー3人は、契約解除を報復行為と受け止めている。なぜなら、公正取引委員会は6月、見切り販売を不当に制限していたとして本部に排除措置命令(優越的地位の濫用)を下したが、この見切り販売をめぐって以前から対立していたのが、今回の契約解除を受けた3人だからだ。

 本部は契約解除と見切り販売とはまったく関係がないと説明する。しかし契約解除を受けた3人は法的手段に訴えることも視野に入れており、決着までには時間がかかりそうだ。

 本部は、今回の件は一部のオーナーに限られたことで、他の多くのオーナーに対して影響を与えることはないと見るが、実際には“副作用”が出ている。公取の処分後、加盟店との信頼回復が急務のはずだが、相次ぐ訴訟に加え、今回の契約解除騒動と問題は山積。チェーンはもはや一枚岩ではない。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 片田江康男)

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