放送法の枠組みや複雑な株主構成などにより、相対的に弱い立場に置かれて来たスカパー!だが、衛星通信会社と有料多チャンネル会社が合併したことにより、将来的な“一発大逆転”の可能性を手にした。同社は今後、どこへ向かうのか? 秋山政徳社長が戦略の核心を語った。(聞き手/『週刊ダイヤモンド』編集部 池冨 仁)

秋山政徳社長 モタモタしているように見えたかもしれないが、来る10月1日からスカパー!は攻めに転じる。

 今年は「二正面作戦」と銘打って、上期は(専用チューナーが必要ないデジタルテレビ組み込み型の)「スカパー!e2」の新規契約者の獲得に注力してきた。

 そして下期は、現在18チャンネルの「スカパー!HD」を60チャンネルに増やして、一気に攻勢をかける。2010年度中には、70チャンネルに持っていく。

 ようやく、スカパー!でも、HD録画機能を搭載した専用チューナーを販売できる態勢が整ってきた。これまで遅れていた原因は、専用チューナーをどこのメーカーの製品にも接続できるような汎用品にしたかったからである。

 その後は、2012年度中までに、世界トップレベルの100チャンネルを超える規模にまで拡大する。「スカパー!HD」は、誰にも真似できない圧倒的な臨場感で、もう一度、世の中に多チャンネルの魅力を訴求したい。