オリンパス・ペンE-P1
「オリンパス・ペンE-P1」は、往年の名機の名を冠したマイクロフォーサイズの一眼デジカメ。男性ファンを魅了して止まないだろう。

 仕事柄、デジタル製品の売上げ指標をよくチェックしているのだが、どれを見てもデジカメの売れ行きが芳しくない。

 特にコンパクトタイプのデジカメは大きく落ち込んでる。ここ最近のデータを見ると、対前月比ではプラスに転じている月も出て来ているが、対前年で比較すると6~7割がよいところだ。

 もちろん、売れ行きが芳しくないのは、景況悪化が要因と言える。だが、それだけが全ての原因と考えるのは早計だ。景気がここまで悪化する前から、コンパクトデジカメ不調のニュースは伝わっていたのだ。

 最も大きな原因は、機能性能が行き着くところに到達したことだろう。今や、コンパクトタイプのデジカメでも700~1000万画素は当たり前になっている。こんな機種を買ったユーザーが、次のモデルへと買い換えるには、相当な機能向上が必要だろう。

 だが、これ以上画素数を上げても、プリントがLサイズでは意味がない。また、PCの画面で見るなら500万画素でも十分過ぎる。そもそも、レンズ付きフィルムの画質で満足していたコンシューマーに、これ以上の画質を押しつけるのは、どう考えても難しい。

 ところが、ハイアマチュアやプロシューマーと呼ばれる層が買う一眼レフは、比較的売れている。まだ高画質や新しい機能を求めているユーザーはいるのだ。これから日本でデジカメを売りたいなら、カメラ好きを狙うのが最良の策である。

 そこで、メーカー各社が狙い始めているのが、「カメラとしてのデキや画質」に敏感なユーザーの物欲をそそるモデルだ。

 以前取り上げたリコーの「GRシリーズ」をはじめ、一眼レフと同様のイメージセンサーを搭載したDP1、DP2(シグマ)は、「高級コンパクト」と呼ばれるジャンルに属しており、一般のコンパクトデジカメの2倍近い価格でも人気になっている。

 個人的には、若い女性にこんなモデルを持って欲しいところだが、やはりこの手のカメラは“オヤジ”から高く評価されている。

 そんな中で、オリンパスからとても魅力的なモデル「オリンパス・ペンE-P1」が登場した。名前を聞いてハッとした方は、僕と同世代以上の方だろう。このモデルこそが、ズバリ「オヤジ狙いの高級デジカメ」なのだ。