グローバルで進めるオラクル流組織開発の手法。今回は、第1回 で紹介した「組織開発として行っている4つの取り組み」のなかから、「(2)IDP(インディビジュアル・デベロップメント・プラン)」と、「(4)ES(従業員満足度向上)の取り組み」について解説します。

IDP――能力開発
プランの中身

 今回、最初にご紹介するのは、「IDP(インディビジュアル・デベロップメント・プラン)」という、個人の能力開発の計画です。弊社では、目標管理とは別に行っています。

 日本オラクルでは、常に成長が求められており、その達成のためには、社員も毎年アウトプットを向上させる必要があります。同じ能力のまま、毎年継続的に成果を増やそうとすれば、労働時間を延長して達成しようとするでしょう。しかし、それでは次第に限界が来てしまいます。

 ナイフに例えるなら、鈍った刃で切ろうとすると、2回3回と切らなければなりませんが、鋭利に研いでおけば、一度で切断することが出来ます。その時々の業務を効率的、効果的に遂行するため、社員が「旬のスキル」を「要求水準」で発揮できるよう、年間計画を立てて開発を進めることになっています。

 年度始めに、今年の業務目標を達成するために必要な知識・スキル・能力を特定し、上司とそれらを身につける具体的な方法を話し合い、合意する機会を設けています。

能力開発のための
実践機会のつくり方

 たとえば、ある人が“大企業の社長に直接提案できる力を身につける”という目標を立てたとします。この場合、まず誰でも思いつくのが、いわゆるエグゼクティブ・プレゼンテーション研修に参加することでしょう。

 しかし、こういった研修やトレーニングは、能力を開発するうえでは、10%程度しか役立ちません。70%は実践によって つまり、社内での練習や実際の提案で、成功したり失敗したりしながら体得していくものです。そして、周囲の人から指摘や助言を受けて学んでいく部分が20%です。

 ですから、考えなければいけないのは、エグゼクティブ・プレゼンテーションを実践する場をどのように作るかということです。これができていないために、研修には参加したけれど実力がついていない、というケースが非常に多いのです。

 まだお客様のところへは行けないレベルなら、まずは社内で提案シナリオの作成や書類の準備を手伝い、次は先輩に同行して1時間のプレゼンテーションのうち、製品説明部分を担当する、というように段階を踏んで、最終的には本人がひとりで提案するところまでOJTを組んでいく。

 そして、定期的に振り返り、その時点でできていること、できていないこと、与えたフィードバックや取った対応はきちんと書面に残しておきます。面倒ですが、そうすることで、必須のスキルを確実に向上させることが出来るのです。

 また、時には、本当にこの能力が必要か、ほかの方法で代替できないかなど、目標の修正も行います。

 これが弊社の「IDP」の中身ですが、貴社ではどんなやり方をしていらっしゃいますか?