法人向けの新しい商品やサービスを持っているのに、なかなか面談の約束(アポ取り)や商談まで持ち込めない――。

 そんな悩みを抱える企業のために、アポ取りを代行して商談をセッティングしてくれる会社がある。法人の新規開拓営業を支援するエムエム総研だ。

 インターネットの普及で、いまや顧客はさまざまな情報を入手できるようになった。おのずと営業マンには、ソリューション提案などより深い専門性が求められるようになり、業務量は増えるばかり。アポ取りまで手が回らない場合が多い。

 社長の萩原張広は、そこにビジネスチャンスを見出す。アポ取りや商談のセッティングなど営業のリード部分の業務をアウトソース(外注)すれば、営業マンは顧客への提案などコア業務に専念することができる。この狙いが見事に的中し、現在取引先は約800社まで広がり、2007年7月期の売上高は11億円を超えた。

 「日本の営業を変えたい」――。それが萩原の起業の原点にある。萩原自身、ずっと営業の世界で生きてきたものの、飛び込み営業に象徴される根性と気合の世界には、どこか違和感を覚えていた。

米国視察で見た営業“分業化”に衝撃!
独立のきっかけに

 今でこそ営業を生業にする萩原だが、もともと人と接するのは苦手だった。そんな萩原が最初に飛び込んだのは、皮肉にも個人向けの英会話カセットの営業だった。