自分に自信が持てない人が増えています。自信に欠けると、仕事もキャリアも前に進まず停滞します。どうすれば、自信を手に入れられるのか? その答えは、最近注目を集める「レジリエンス」にありました。本連載では、『なぜ、一流になる人は「根拠なき自信」を持っているのか?』を上梓したレジリエンス研究の第一人者である久世浩司氏が、自信をつけるための思考と習慣ついてお伝えします。第5回のテーマは、根拠なき自信家に共通する3つ目の心理的資源である「失敗許容力」について解説します。

なぜ、シリコンバレーには根拠なき自信家が多いのか?

活力に満ちたベンチャー企業が集まるシリコンバレー

「根拠なき自信家」が集まる街としてすぐに思い浮かぶのが、米国シリコンバレーです。シリコンバレーと言えば、ITの聖地として起業家が多く存在する地域で、世界中から注目を集めています。

  日系企業の事務所設立も加速し、その進出数は2014年には過去最高を記録し、その勢いは止まりません。

  2015年春には、安部首相がシリコンバレーを訪問し、スタンフォード大学での講演会において「シリコンバレーと日本の架け橋プロジェクト」を始めると発表しました。

 その地に本社を構えるテスラモーターズのCEOで、現在最も有名な起業家の1人でもあるイーロン・マスクと安倍首相がEV(電気自動車)に乗り談笑している写真は、国内の多くのマスコミでも報道されました。  

 シリコンバレーでは、夢と志を掲げてその実現を信じてやまない起業家たちがハードに働き、未来のアップル、グーグル、フェイスブックを目指しています。IT企業だけでなく、配車サービス会社のウーバーや、ジェネンテックなどのバイオベンチャー企業まで、活力に満ちた会社がサンフランシスコ周辺に集積しています。

 ユニコーンと呼ばれる新興企業(10億ドルの価値をもつ未公開企業)も珍しくありません。このように、シリコンバレーは「イノベーション」と「アントレプレナーシップ」の代名詞として、日本だけでなく、世界各国の政府・企業から注目を受けています。

 そして、その原動力となっているのが「根拠なき自信」に溢れる起業家なのです。