勉強したことが全部問題にならないように、問題の答えを全部解答しなくても、合格できます。間違えても、合格はできるのです。そのボーダーラインはどこにあるのでしょうか。100点を目指すより、100点より低いボーダーラインを目標にすることで、勉強の効率は上がります。
第1章「『理解』せずにひたすら『答え』だけを見る」より、一部抜粋して紹介します。

本当のところ、100点中何点を目指せばいいの?

最初から100%を目指さない

 どんな分野でも、人は一度「できない」と思ってしまうと、なかなか手をつけようとしません。苦手意識が生じ、やらなくなってしまうことすらあります。

 勉強も同じです。

 いきなり高いハードルを設定すると、できなくて落ち込み、どんどん負担になっていってしまいます。

 そのような状況に陥らないためには、最初から100%を目指さないことです。

 難しい問題には取り組まず、簡単なところからスタートするのです。

 テストには、法則があります。

 それは、「基礎6割、応用3割、応用よりも難しい問題1割」で成り立っているという法則です。

 そして、合格するための目標は、「6割をとること」です。

 60点とれれば、合格のボーダーラインです。

 つまり、全体の6割を占める基礎さえ落とさなければ、合格に近づくのです。そう考えると、基礎だけ勉強していればいいとわかりますよね。難しい応用はあえてやらなくてもかまいません。

 なぜなら、応用も基礎の積み重ねなので、基礎ができていれば自然と解けるようになるからです。

 脳科学者の茂木健一郎氏は、「勉強にはドーパミンが必要である」(『脳を活かす勉強法』PHP研究所より)と説いています。

 ドーパミンは、脳内の神経伝達物質の一つで、快感を生み出す作用があることで知られています。さらに、人間の脳は、ドーパミンが分泌されたときの状態を克明に記憶し、その快感を再現しようとします。

 つまり、勉強しているときに「できた! 楽しい!」という感情が生まれると、ドーパミンが分泌され、そのときの記憶も定着しやすくなるのです。そのためには、まず、ラクな基礎だけをやり、脳に快感を覚えさせることです。

 基礎を繰り返し、少しずつ「できる」ことの範囲を広げて脳に快感を与え続けるのです。

 全部を一度に覚えようとすることを捨ててください。

基礎をしっかり固めていけば、いつか応用に対応できます。

 問題集をアタマからやる必要もなく、必要なところ=できるところだけ、やってください。