一目惚れで買ったハーレーダビッドソン、ナイトロッド

 2007年春、15年ぶりにバイクに乗り、大型自動二輪の免許をとりました。中型免許は持っていたので、近所の教習所で12時間の実技教習と卒業検定試験を受けてのもの。掛かったのは1ヵ月弱。42歳11ヵ月でのことでした。

 そのまま勢いでハーレーダビッドソンのVRSCD(Night Rod:ナイトロッド)を購入しました。カタログで写真を見ての一目惚れ。すぐに「アメ車」と知ってビックリしました。

ハーレーダビッドソンの客はなぜ乗らずに買うのか

 高回転型の水冷エンジンで、ロング&ローのまことにハーレーらしからぬスタイルなのですが、排気量1131cc(*1)、乾燥重量300kg、速度計は240㎞/hまで切ってある、モンスターマシンです。

 新車の購入とカスタム(=改造)のために数週間、ディーラーに通いましたが、そこで目にしたものは「大人の鉄馬乗り」の世界でした。

 晴れた週末、ディーラーの店頭には、30~50代のライダーたちがドコドコと低い排気音を響かせながら、集まってきます。お茶を飲みに、ツーリングの待ち合わせに、買い物のついでに。

復活のハーレーダビッドソン

 ハーレーダビッドソンは1903年米国ウィスコンシン州創業のバイクメーカーです。もともとレース用車を製作していましたが、69年の映画「イージー・ライダー」にも見られるように、次第に無法者(アウトロー)・無頼漢の象徴となっていきました。70年代には米国大型バイク市場において70%のシェアをもち、断トツのナンバーワンでした。

 それが、ホンダ(*2)を初めとした日本メーカーの猛攻を受け、80年代前半にはシェア15%、売上高2億ドルにまで急落し、ついには営業赤字に陥ったのです。

*1 2007年式。2008年式からは1250ccでABSがついている。
*2 創業は1948年。