Q.堀江さんは、新著『本音で生きる~一秒も後悔しない強い生き方』(SBクリエイティブ)のなかで、「本音で生きられないのは自意識とプライドが邪魔をするから。プライドをなくした方が人に愛される」と述べられています。プライドをなくすにはどういう心掛けが必要なのでしょうか。

自分が勝手に思い込んでいるほど
自分は注目などされていない

A.まずは、自分は周りの人たちから、大して注目されていないということを自覚すべきでしょう。

 有名人(!)である私ですら、ファーストインプレッションはそれなりに注目されるものの、慣れると全然注目されなくなってしまいます。多くの人は家族や恋人にすら、さほど注目されていない時間の方が多いのではないでしょうか。

 ですから、もし失敗をしても、そのことを気にする必要は全くありませんし、人にどう思われているとかも意識する必要はないのです。

 もう一つは、普段から知らない人と積極的に交流する癖をつけることです。それも同性や同世代の人とばかりではなく、異性や違う世代、異なる民族など、とにかく自分とは属性が違う人と交流するように心掛けます。

 そうやって普段から異質な考え方に触れることによって、自分の心のなかのバリアを取り払うことによって、いろいろな人たちが自分に対して、より話しかけ易くなるのです。

 相手も自分と同じように心の中にバリアを持っている。それを取り払いやすくする心遣いが大事なのだと思います。

Q.精神疾患での労災認定がこの10年で4倍まで増加しており、厚生労働省は企業等による従業者に対するストレスチェックを義務化しました。堀江さんが経営者なら、うつ病などの社員を見つけた場合どう対処しますか。また、そうした社員が生まれないようにする予防策はありますか。

仕事が直接の原因のストレスは
会社の責任でゼロにしなければならない

A.私が会社を興した当初のころは、うつ病がまだあまり社会から認知されていませんでした。しかし、実際には製品の納期直前になって急に出社拒否になる社員が現れるなんてこともあり、困惑したことがあります。

 そもそもで言えば、通院や投薬が必要なレベルの程度の極めて軽いうつ病は、誰にでも発症する可能性はあるのではないでしょうか。これに対して会社ができる対策としては、少なくとも会社のなか、仕事のなかでは過度のストレスを感じさせないような労働環境を細やかに準備するしかないでしょう。

 しかし、会社以外の例えば家庭や友人関係でのトラブルなどに関しては、会社では解決しようがないものだと思いますので、予防ないし完全に解決することは不可能だと思います。

 このような場合は、予防と合わせて、うつ病になった後のケアをしっかりやる体制を整えることが重要でしょう。うつ病状態で一人で飲酒して、突発的に自殺行為に走るといったことは、何としてでも防がなくてはなりません