大病で倒れて長期休職した後、職場に復帰する社員がいる。

 会社の中には、それを表向きは歓迎しながらも、実は好ましく思っていない人がいる場合がある。特に後遺症が重い場合は、不当な扱いを受けることがある。

 連載19回目は、40代後半で脳梗塞になりながらも復帰し、会社の不当な行為を拒絶していく男性社員を紹介しよう。

 あなたの周囲にも、似たような経験を持つ人がいないだろうか?

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■今回の主人公――はい上がりつつある「負け組社員」

 花塚隆志(仮名・47歳)(仮名)

 社会人向け通信教育の制作販売会社に勤務。本社東京、社員数300人。花塚は「資料室」に在籍している。かつては営業や総務の仕事をしていたが、脳梗塞で倒れ、この部署に異動となった。しかし、するべき仕事もなければ話す相手もいない。孤立無援のなか、人事課長からあることを頼まれた。
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(※プライバシー保護の観点から、この記事は取材した情報を一部デフォルメしています)

労働組合の輪の中にも入れず……。
窓際に追いやられた「資料室部員」

 労働組合の集会――。本社6階の大会議室には、130人ほどの組合員が集まった。いずれも20代~40代後半までの非管理職たちである。

 議論が終わりに差しかかった頃、ある男性社員が大きな声を出した。