第二次サブプライムショックが日本の株式市場を襲った。日経平均株価は11月13日まで8営業日連続マイナス、下げ幅は1744円に達した。

 当初、「1000億ドル」(バーナンキ米連邦準備制度理事会議長)と見られていたサブプライム関連の損失金額は、シティグループやUBSなどの追加発表で、日を追って拡大中だ。「損失は2500億~5000億ドルまでふくらむ」(ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド)という見通しも出ている。サブプライム問題の深刻化という第二次ショックが日本株の暴落を招いた格好だ。

 ただし、日本株の下げはこれだけでは説明がつかない。震源地である米国のダウ工業株30種平均がこの間に4.3%下落したのに対して、日経平均はこれを大きく上回る10.3%のマイナス。国内でもサブプライムによる損失は表面化しているが、欧米の金融機関の損失規模とはケタが違う。

 今年に入ってから日本株は、「外国が下げたときには一緒に下がるが、外国が回復してもそれほど上がらない」(国内証券)傾向が続いている。

 “中国ショック”と呼ばれた今年2月末、香港のハンセン指数は5営業日で9.3%下落したが、日経平均も連動して8.9%下げた。それから香港は1ヵ月半で下落前の水準を回復する一方、日本株の回復率は6割にとどまった。8月の第一次サブプライムショックでも、同じ現象が見られた。

 その裏にあるのは、外国人投資家の日本株ばなれだ。

 「去年までアジアに投資する資金のうち50%を日本に振り向けていたが、今年に入ってから27%まで縮小した」(外資系投資信託のファンドマネジャー)といった動きが広がっている。日本株に見切りをつけた投資資金は「アジア株」のなかでも、中国、インドにシフトを続ける。実際この1年で香港株は7割、インド株は5割値上がりした。

 中国の成長率は11.5%で、インドは8.9%。これに対し日本は2.0%だ。

 先進国のなかでもユーロ圏の2.5%などと比べ見劣りする(IMF見通し)。日本経済の成長力に疑いの目を向ける外国人投資家は外国株につられて日本株が下げても、買い向かおうとはしない。

 外国人投資家の日本株ばなれはとどまる気配を見せない。今回の第二次サブプライムショック後の回復も、またもや鈍いものになりそうだ。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 清水理裕)