男性でも女性でも、低音ボイスは魅力的に聞こえます。ビジネスの現場では高音よりも低音のほうが、「落ち着いている」「しっかりしている」という印象を相手に与えることができるので好都合です。低音がうまく出せない人、地声が高音の人が、低音を出せるようになるトレーニング方法を紹介します。
250社超の研修実績、3万人が受けた声のビジネス研修を1冊にまとめた新刊『「話し方」に自信がもてる 1分間声トレ』より、「1分間声トレ」を動画付きで紹介します。

日本人は中くらいから高音が多い

 男性でも女性でも、低音ボイスは魅力的に聞こえます。

 特にビジネスの現場では高音よりも低音のほうが、「落ち着いている」「しっかりしている」という印象を相手に与えることができるので好都合です。

 しかし、普段から低音で発声している人は、日本人ではあまりいません。

 ボイストレーニングの生徒さんに、「腹式呼吸で、自分が一番出しやすい音を出してみてください」とやってもらうと、ほとんどの人は中くらいから高音までの間の音域を使っています。

 普段低音で話していない人が、いざというときに低音で話そうと思っても、うまくできるものではありません。

 無理に低音を出そうとして、のどを締めてつぶれたような声になってしまう人もいます。

低音の位置を体で覚える

 低音がうまく出せない人、地声が高音の人が、低音を出せるようになるトレーニング方法を紹介します。

 題して「ムンクの叫び」。

(1)両手を肩幅くらいに広げて上に挙げる。
(2)自分が腹式呼吸で出せる一番高い声で「あ~~~~ 」。
(3)声を出しながら手をゆっくり下ろしていき、それにつれて「あ~~~~ 」の声も高音から低音に向かってなだらかに音程を下げていく。
(4)途中で「ムンクの叫び」ポーズを通過して、最後は胸に手を持っていく。このときに最も低い声になるように「あ~~~~ 」。
 ((1)から(4)まで5秒かけて2回繰り返す)

 つまり、ずっと「ああああ~~~」と声に出しながら、上から胸まで手を下ろしていき、その動作とともに音程を下げていくということです。

 低音を出すときには、吐く息の量が少なくなっていることを確認してください。

 このトレーニング方法をきちんと実践できれば、最後の段階で吐く息の量は自然に少なくなり、ふんわりと低音を出すことができているはずです。

 また、最後に低音を出しながら、声が胸に響いているかどうかも確認しましょう。

 胸に響かせることを意識することで、魅力的な低音ボイスをつくることができます。

 このようにして低音を出す位置を体で覚えることで、普段から低音ボイスを使えるようになるのです。