「夜読書」はタチが悪い

「ライフハッカー[日本版]」「NewsWeek日本版」などのニュースサイトに、月60本近くのブックレビュー記事を寄稿し、年間700冊以上の読書量を誇る人気書評家の印南敦史氏。そんな多読生活を送る彼も、数年前までは「1ページ5分」かかるほどの超・遅読家だったという。

遅読にもかかわらず、毎日1本の書評を書くことになった彼がつかんだ、新時代の読書術「フロー・リーディング」とは? 最新刊『遅読家のための読書術』の内容をベースに、「読書スピードの遅さ」や「読書量の減少」に悩む人たちにお届けする。

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「夜の読書」は習慣化しづらい

「朝の10分間読書」の取り組みの話をすでに書きましたが、やはり読書のゴールデンタイムは「朝」です。

……と、偉そうなことをいっておきながら、実は僕も、10年近く前までは典型的な「夜型」でした。
いま振り返ってみればただの思い込みなんですが、夜になると頭が冴えるような気がしていたため、必然的に仕事のピークが深夜になっていたのです。

しかも、ひと仕事終えたあとにチビチビとお酒を飲みはじめたりするので、またムダにエンジンがかかってきて、いきなり読書をはじめてしまったりします。

ところがこの時点でかなり酔っていますから、うたた寝をしながら読み続ける。
当然のことながらこんな状態では、本の内容をまともに咀嚼できるはずもなく、結局はただ時間を浪費していただけでした。