フリーライターのBさん(46歳)は、数日前から腰に違和感を覚えていた。仕事が忙しい時期で睡眠は毎日3時間足らず。夜の付き合いが頻繁で、酒量も多かった。

 ある日の入浴直後、腰に鋭い痛みが走った。「まずい!」。そう思ったが、翌日は地方で撮影があり、休めない。コルセットを買って腰部に巻き、冷たい雨のなか、屋外での立ち仕事をこなした。撮影終了後、出張先のホテルで疲れた体を横たえて倒れるように眠った。

 明け方、体全体が重苦しい痛みに襲われた。ベッドからまったく起き上がれない。やむなく出張先からは車椅子で帰宅。その後2週間、松葉杖の生活が続いた。

 Bさんだけでなく、「腰が重い、だるい、痛い」と感じていても、日々の生活に追われ、放置している人は多いだろう。だが、ある日突然、痛みは全身を襲う──そんなケースは、少なくない。

デスクワークや運転では
1~2時間ごとに休憩を

 腰は頭や上半身の重みを支え続けている。背骨の骨と骨のあいだでクッションの役目をしている椎間板には体重の5倍の負荷がかかっているといわれ、体重60キログラムの人は椎間板に300キログラムの重さがのしかかっている。

 では、腰の慢性的な痛みにどう対処すればいいのか。