高級ブランド・ファッションの「会員制格安ショッピング・サイト」が、ここ米国で最近流行っている。高級ブランドのアウトレットをオンライン化したものと言えば、分かりやすいだろう。その特徴は、見た目の敷居の高さにある。つまり、紹介者がいないと加入できなかったり、申し込み後に審査を受けるといった特別会員制になっているものが多いということだ。

 会員になれる基準は不明だが、名前やメールアドレスと共にたいていは郵便番号を入力する。アメリカでは郵便番号が住所による資産規模を示すことが多いので、どの程度の購買力を持つ消費者かを推察しているものと思われる。いったん加入すれば、その好みや購買履歴にしたがって、よりぴったりとマッチする商品を提案してくれるという仕組みにもなっている。

 そうしたサイトの中でも、近頃話題を集めているのが、ビヨンド・ザ・ラック(Beyond the Rack)というカナダのサイトである。

 同サイトは今月、第4ラウンドの資金調達を済ませ、これまで合計1650万ドルの投資を集めるのに成功した。最終ラウンドは、カナダだけでなく、アメリカの大手ベンチャーキャピタルも加わった。

 ビヨンド・ザ・ラックがスタートしたのは、2009年。同サイトによると、現在の会員数は150万人を超え、これは半年前に比べて倍増。収入も毎月30%のペースで成長し続けているという。

 ビヨンド・ザ・ラックは、高級ブランドのファッション・アイテムを50~70%の値引き価格で売っている。トム・フォード、ドルチェ&ガッバーナ、グッチ、フェンディ、マーク・ジェイコブズなど有名ブランドの服からアクセサリー、下着、水着などを、毎週いくつかのイベントにまとめて売りさばくのが特徴だ。毎日、数日間の新しいイベントが発表され、制限時間の中でお得な買い物をしようとする会員が殺到するという仕掛けだ。