JTBグループは、国内外のさまざまな地域で、環境保全活動や収穫や伝統工芸などの各種体験活動を通じてその地域を理解して愛着を感じてもらい、来訪者を増やしていくことで活性化を図っている。一般からも参加者を募り、地域住民やNPOなどの関係団体、JTBグループの社員と共に活動している。

JTB地球いきいきプロジェクト」は、JTBグループが国内の自治体、NPO団体などと連携して実施する、環境保全を基軸とした社会活動であり、それぞれの地域の課題や特色を盛り込んだオリジナルのプログラムとなっている。活動は一般の参加者や地域住民、関係団体、さらにJTBグループ社員が一緒になって取り組むユニークなものだ。

観光地の清掃活動から
地域を“いきいき”させる活動へ

 同プロジェクトは、1982年から続く「JTB観光地クリーンアップキャンペーン」が母体となっている。観光地を見て回るだけでなく、清掃活動を行うことで地域に貢献する主旨で始まった。2012年の創立100周年を機に改称し、観光地の清掃活動にとどまらず、環境保全や生物多様性を意識しながら地域を“いきいき”させる活動に範囲を広げ、取り組みを進めている。

 活動は、植樹や伐採、地域の環境学習、歴史の理解、伝統工芸体験、農業支援、観光名所の開発、過疎化対策など、さまざまな活動が行われており、地域ごとにそれぞれの課題を見つめ、理解・体験する内容に広がっている。

 同プロジェクトでは12~14年度に125件のプログラムが実施され、参加者は累計で6832人に達した。15年度は国内48件、海外10件のプログラムを開催し、間もなく1万人に届く参加人数となっている。スタート当初の1982年の「JTB観光地クリーンアップキャンペーン」から数えると、参加人数は延べ13万人以上にもなる。

 14年3月には、環境省が事務局を務める「国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB‐J)」の推奨する連携事業にも認定され、活動の認知度も広がっている。

 では、これまで「JTB地球いきいきプロジェクト」では、具体的にどのようなプログラムが実施されてきたのか。