iPhoneが席巻するスマートフォン市場で、携帯電話の王者・NTTドコモが巻き返しを進めつつある。実はこのトレンド、これまでの市場の勢力図を一変させる可能性があるという声も聞こえてくる。スマートフォンの仕掛け人は、近い将来、アンドロイド携帯が市場を席巻するかもしれないと予言する。果たして、それは本当なのか?(取材・文/プレスラボ 梅田カズヒコ)

「猫も杓子もiPhone」の時代に
王者・ドコモはどう太刀打ちするか?

「先輩は、まだiPhoneじゃないんですか?」

 流行に敏感な後輩のK(24歳・女性)がそう言ってきた。例のタッチパッドをクイクイさせながら・・・。

 “まだ”iPhoneじゃない――。その“まだ”が気になる。まだとは何だ。僕はauキャリアのガラケーを握り締める。

 iPhoneをきっかけにシェアを拡大しつつあるソフトバンクだが、相変わらず携帯キャリアのシェアはNTTドコモが首位となっている。日本に100台の携帯電話があるとしたら、半数の50台がドコモのキャリアのものである。

 ちなみに、28台がau、20台がソフトバンク、2台がイー・モバイルだ(社団法人電気通信事業者協会調べ)。いくらiPhone効果でソフトバンクが一時的にシェアを伸ばそうとも、この差は一朝一夕に埋まるものではあるまい。

 そうなると、日本の携帯電話・スマートフォンの動向を考えるに当たって、やはりNTTドコモの動きは気になるところだ。以前の記事でも詳しく述べた通り、携帯電話の主戦場はすでにスマートフォンへと移りつつあり、各社はこの新たな有望市場で一刻も早く足場を確立しようと、睨み合いを続けている状況だ。

 ここに来て、ドコモが手がける「Xperia」(Android端末)が、発売開始以来、思いのほか好調に売れている。目下のところiPhoneばかりが目立ちがちなスマートフォン市場において、業界の巨人はどんな「巻き返し策」を考えているのだろうか?

 今回、「いずれAndroid端末がスマートフォン市場を席巻する」という未来図を描く、スマートフォンの仕掛け人に話を聞くことができた。日本に初めてスマートフォンを持ち込み、NTTドコモでスマートフォン戦略を推し進めてきたキーパーソンの1人、三嶋俊一郎・スマートフォン事業推進室営業推進担当部長である。