目黒区には「憧れ」という言葉がよく似合う。そのシンボルは自由が丘。単におしゃれなだけでなく、シックな魅力が漂う街だ。これを支えているのは、柿の木坂、碑文谷、八雲など、背後に控える高級住宅地である。

 さらに、駒場に東大、大岡山には東工大、今は都下に移転したが都立大学(現・首都大学東京)、学芸大学も駅名に名残りを残す。そこはかとなく醸し出されるインテリジェンスな雰囲気は、目黒区への憧れを一層際立たせる。

憧れの街で憧れのライフスタイル
有数の人気を誇る目黒区の主役は女性

目黒区――キャリアウーマンに大人気の「憧れの街」は、なぜ人口減少が止まらない?

 居住地を決めるとき、女性は男性よりも街のブランドやイメージを重視する傾向が強い。だから憧れの街・目黒の主役は女性だ。男性100人に対する女性の数は112人で、23区中最も高い。なかでも、30代~40代前半の女性の多さが目立つ。

 一般に30代~40代前半の女性というと、結婚から子育ての時期に当たる。しかし、目黒区では少し様子が違っている。30代女性の未婚率は23区中6位。40代前半になると3位へと跳ね上がる。その数23.8%、全国平均(12.1%)の2倍に迫る。

 既婚者はどうだろうか。新生児の母親の年齢が35歳以上の割合は、23区のトップ。晩婚だから子供を産むのも遅くなる。共働きの比率は19位と専業主婦が多いが、共働きに占める子供がいない夫婦の割合は5位にランクインする。いわゆる「DINKS層」だ。