9月23日に、米国でかつて最大手DVDレンタル・チェーンだったブロックバスターが経営破綻しました。そこに至るまでのレンタル市場の変容やライバル企業の躍進を学べば、メディア・コンテンツ産業にとって重要な教訓を得ることができるのではないでしょうか。

経営破綻に至る経緯

 1990年代から2000年代の前半にかけて、米国のDVDレンタル市場はブロックバスターの独壇場でした。そのブロックバスターが経営破綻した理由は、ビジネスモデルが時代遅れになり、競合他社に市場シェアを奪われたからに他なりません。

 ブロックバスターのビジネスモデルは、ユーザが店に出向いてレンタルと返却を行なうという非常に伝統的なものでした。そのDVDレンタル市場に、ネットフリックスというベンチャー企業が参入してきました。

 同社は、ユーザがネットから注文してDVDの配送も返却も郵便で行なうという斬新かつ新しいビジネスモデルを1998年に始め(日本でも同様のサービスが普及していますが、それを世界で最初に始めたのが同社です)、更に1999年には定額制の料金体系も導入しました。

 店に出向く必要がないし定額制で追加料金も発生しないと、便利この上ないサービスを提供したため、ユーザはネットフリックスにどんどん移行しました。 それに加え、この1~2年でアップルなどのネット企業による映画・テレビ番組のネット配信が普及し始めたことで、いよいよブロックバスターの凋落は顕著となり、今回の経営破綻に至ったのです。