民主党の補選敗北は、
菅政権支持率低下の一里塚

 注目された衆院北海道5区補欠選挙は、自民党の町村信孝元外相が、約3万票差で民主党新人の中前茂之氏を振り切って圧勝した。

 民主党の敗因については、自民、民主の両党はじめ報道機関も総じて「政治とカネ」にあるとしている。

 果たしてそうだろうか。

 輿石東民主党参院議員会長は、ちょっと違う見方をしている。

「菅内閣発足以来の実績が問われているのは確かだ」

 民主党の渡邉周選対委員長も、「『政治とカネ』の問題も敗北の要因の中に当然ある」としつつも、「政権交代の成果をしっかり見せていかなければならない」とつけ加えている。

 私は今回の補選結果を、菅直人政権の支持率低下傾向の一里塚と見ている。すなわち、政権の支持率低下の傾向が、補選によって顕在化したに過ぎない。

 確かに『政治とカネ』は無視できない敗因だが、基本的には輿石氏の指摘が正しいと思っている。

自民、民主共にハンディを抱えた選挙戦
投票率は前回より20%以上も低下

 今回の補選では、自民、民主両陣営が共に不利な要素を抱えていた。

 町村氏側は、良くも悪くも彼が自民党の古い体質を象徴する人と見られていたこと。加えて、前回総選挙で比例区当選を果たしているのに、あえて辞職して立候補した。法的に許されるとしても、もうひとつしっくりいかないものがある。

 民主党の中前候補の側を見ると、そもそも補欠選挙を施行しなければならなくなった原因が民主党にあったことは軽視できない。