日本一のマーケッターである神田昌典氏と、孫正義氏から一発OKを連発した伝説的プレゼンテーターで、ベストセラー『社内プレゼンの資料作成術』著者の前田鎌利氏の対談が実現。「伝え」「人を動かす」プロフェショナルであるおふたりに、その神髄を語り合っていただいた。第1回のテーマは、プレゼンの成否を決定的に分ける「つかみ」のテクニック。プレゼン開始「30秒以内」に「○○」ができなければ、100%プレゼンは失敗するという。その「○○」とは何か?11月2日に満を持して開催する「ダイヤモンド社プレミアム白熱講座」の内容の一部にも触れる注目の対談である。(構成:田中泰)

マーケティングに
「天変地異」が起きている!?

プレゼン開始「30秒以内」に<br />「○○」ができなければアウト!<br />神田昌典(Masanori Kanda)
経営コンサルタント・作家。株式会社ALMACREATIONS代表取締役。日本最大級の読書会「リード・フォー・アクション」主宰。上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士。コンサルティング業界を革新した顧客獲得実践会を創設(現在「次世代ビジネス実践会」)。のべ2万人の経営者・起業家を指導する最大規模の経営者組織に発展。わかりやすい切り口、語りかける文体で、従来のビジネス書の読者層を拡大。「ビフォー神田昌典」「アフター神田昌典」と言われることも。『GQ JAPAN』(2007年11月号)では、「日本のトップマーケター」に選出。2012年、アマゾン年間ビジネス書売上ランキング第1位。著書に、『稼ぐ言葉の法則』『あなたの会社が90日で儲かる!』『非常識な成功法則【新装版】』『口コミ伝染病』『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』『全脳思考』『ストーリー思考』『成功者の告白』『2022――これから10年、活躍できる人の条件』『不変のマーケティング』『禁断のセールスコピーライティング』、監訳書に、『ザ・コピーライティング』『伝説のコピーライティング実践バイブル』『ザ・マーケティング【基本篇】』『ザ・マーケティング【実践篇】』、監修・解説書に『最強のコピーライティングバイブル』などベスト&ロングセラー多数

前田鎌利さん(以下、前田) 今日は、お目にかかれて光栄です。
 じつは、ソフトバンク時代から、神田さんの書籍を愛読していました。
 プレゼン資料をつくるうえで、資料全体の構成やキーメッセージのつくり方など、神田さんのノウハウを参考にさせていただいてきたのです。
『稼ぐ言葉の法則』『最強のコピーライティングバイブル』も拝読して、新たに学ばせていただきました。

神田昌典(以下、神田) それは、うれしいです。私も、前田さんの『社内プレゼンの資料作成術』『社外プレゼンの資料作成術』を拝読して、大変勉強になりました。
 というのは、SNSの時代になって、私が専門にしてきた「言葉」だけではなく、「画像」や「動画」をいかに活用するかが問われる時代になったからです。
 前田さんのプレゼン資料は、「画像」と「キーメッセージ」が実に上手に使われています。だから、前田さんのノウハウは、僕のノウハウの進化形だと思ったのです。

前田 とんでもありません。そんなふうに言っていただけるなんて、恐縮です。

神田 いや、本当なのです。
 フェイスブックやインスタグラムのコミュニケーションで重要なのは言葉ではなくビジュアルです
 反応をとる7割はビジュアル。その次にテキスト・メッセージなのです。
 これは、ダイレクト・マーケティングに長年取り組んできた私にとっては、天変地異が起こったくらいの変化。プリンテッド・メディアではテキストが7割でしたからね。新聞広告でも、「ビジュアルを使うよりも、インパクトのある言葉を使うほうが、反応率がよくなる」というのがマーケティングの常識だったのです。

前田 なるほど。たしかに、ビジュアルをいかに見せるかで、プレゼンの反応は劇的に変わります。
 特に、社外のお客様や取引先にプレゼンするときには、プレゼン開始30秒以内に「おっ!」と感情を動かしてもらえなければ、その先を聞いてもらえません。11月2日に開催される「ダイヤモンド社プレミアム白熱講座」で詳しくご説明するのですが、30秒以内に「おっ!」と思ってもらえなければ、その先はまともに聞いてもらえません。これは、プレゼンの成否を決定づける重要なポイントなのです。だから、イントロ部分では徹底的にビジュアルにこだわります。

神田 そうですよね。『社外プレゼンの資料作成術』にも、ビジュアルと言葉をうまく組み合わせて、相手の心を動かすノウハウが紹介されていて感心しましたよ。