慢性的な頭痛に悩まされている日本人は約4000万人。そのうち、約2000万人以上が緊張型頭痛に、約840万人が片頭痛に悩まされている。
ところが、「多忙のために、医療機関を受診する時間もなく、日々、頭痛と闘いながら仕事をこなしている頭痛持ちの人たちに、『生活上のちょっとしたコツで、頭痛は消える、防げる』と言っても、すぐには信じてもらえません。しかし、専門家の目でみなさんの日常を見てみると、これでは、頭痛が起きても仕方がないとため息をつきたくなるような生活をしている人が、ほとんどなのです」と語るのは、9月30日発売『頭痛は消える。』の著者であり、頭痛治療のエキスパート・清水俊彦氏(東京女子医科大学 頭痛外来)。
科学的なデータとこれまでに治療してきた約200万人の体験談から抽出した選りすぐりの「頭痛を起こさない58の生活習慣」を、7つの生活シーンに分けてご紹介。その中から各2項目を7回にわたって連載。

血糖値の低下が頭痛を引き起こす

朝食抜きやドカ食いは頭痛にNG。<br />1日6食で血糖値を一定に保って<br />イラスト:えなみかなお(asterisk-agency)

最近、多忙やダイエット目的から、朝食抜きの女性が増加しているようです。

また、毎日の食事時間がバラバラで、食べられる時にまとめて食べる「ドカ食い」をする人も多いようです。

しかし、このような不規則な食生活は、頭痛持ちの人にはよくありません。

脳血管は血糖値に敏感に反応します。

食事を取らないことで血糖値が減少すると脳血管が緩みがちになり、脳血管の周囲にある神経を刺激して、片頭痛発作が起こりやすくなるのです。

さらに、片頭痛の発作中には脳が興奮状態になるため、機嫌も悪くなります。
よく「お腹が減るとイライラする」という人がいますが、そういう方は、隠れ片頭痛の体質かもしれません。

カラダの中で、糖分の消費量がいちばん多いのは脳ですから、仕事で頭を使った後は血糖値が極度に低下しているため、頭痛が起こりやすくなっているのです。

ちなみに欧米では、血糖値が一定になるように、片頭痛持ちの人には1日6食(朝、10時、昼、3時、夜、就寝前の6回)を推奨しています。

忙しくて、決まった時間に食事が摂れないという方は、なるべく血糖値を下げないよう、お腹が空いたらせめて飴玉でもなめるようにしてください。

●ポイント:短時間で血糖値を上げられるよう、飴玉やキャンディを常備しておく