ゴルフの上達を目指す人にも「骨ストレッチ」は効果があります。飛距離を伸ばし、ヘッドスピードを加速させ、おまけに体に無理な負荷がかからないから疲れにくい、非常識なスイングを試してみませんか?

無理なく飛距離が伸びる!<br />非常識なゴルフスイング

ゴルフで最も大事なのは、
心地よいスイング

 日本には1000万人以上の愛好者がいるといわれるゴルフですが、不思議なことに、海外のマスターズや全米オープン、全英オープンなどの常連になる選手はほとんど皆無と言っていいのが現状です。
 人気選手である石川遼選手にしても、成績のアップダウンが激しく、悪戦苦闘する姿が目立ちます。かつて「ハニカミ王子」と呼ばれた頃の笑顔があまり見られなくなっていますが、原因はどこにあるのでしょうか?
 ゴルフをするうえでも、最も大事になるのは心地よさです。
 体幹をダイナミックに使った、心地よいスイングができているからこそ飛距離も伸び、それが結果にも、競技としての魅力にもつながっていく――それがあるべき姿のはずですが、プロアマ問わず、ゴルフを長く熱心に続けている人ほど体の痛み、ケガを抱えているケースが多いのが現実です。

 たとえば、休日にコースを回るとクタクタになって、翌日以降に疲れが尾を引いてしまう。あるいは、打ちっぱなしに熱心に通うことで、腰や膝を痛めてしまう。そんな経験をしたことがありませんか?
 こうした体の痛みや疲れの最大の原因は、スイングのフォームにあります。
 ごく一般的なゴルフスイングでは、他の競技と同様、「地面にしっかり踏ん張って立つ」ことがすすめられているでしょう。
 なかには「足の指で地面をつかむくらい踏ん張るのがいい」と指導するケースもあるようですが、これでは足の親指から太ももの前側にかけての筋肉が酷使され、体のバランスが崩れてしまいます。

 ゴルフをする機会があったら、スイングをしたあとに腰をまわしてみてください。腰の一帯が鉛のように重く、うまくまわせなくなっているのに気づくと思います。
 たった1回で腰の動きが鈍くなるくらいの負荷がかかってしまう、そんなスイングを続けていて心地よさは得られるでしょうか?

 また、ゴルフのスイングでは、体が流れてしまうのを避けるため、右打ちであれば左側の体側に「壁をつくる」ことが重視されています。
 でも、これまで解説してきたように、これも地面への踏ん張りを強化し、体にさらに負荷をかけてしまう行為と言えます。
 実際、壁をつくることを意識してスイングをしたあと、それぞれの腕をまわしてみると、肩の可動域がかなり狭くなっていることに驚かされるはず。もちろん、より強く踏ん張るため、膝や腰への負担も増すでしょう。