中古マンションの価格は、その時々の新築マンションの価格動向に伴い少し遅れて上がったり下がったりする。しかし、都心の新築マンションの価格が大幅に上がり高止まりといわれるようになってきた今、中古の価格も高過ぎるのではないか、妥当な価格で価値の下がらない物件を選ぶにはどうしたらいいのか。価格上昇ポイントをチェックしながら、上手な中古の買い方と住宅の資産性を考えた。

中古マンション騰落率を
チェックする

 新築マンションは、買った途端に新築プレミアムがなくなって10%から20%値下がりすると言われる。それは売り主の販売管理費、宣伝費などが販売価格に上乗せされているためだとされる。しかし、いったん下がった価値は5年、10年後にはどうなっているのだろう。

 それを知る指標の一つが「中古騰落率(リセールバリュー)」だ。「中古になった場合、価格が新築販売価格に比べてどのくらい変動するか」という割合だ。

 築後10年間で騰落率が0%前後で横ばいという場合、新築購入時の10~20%の価格下落分を取り戻していることになり、優良物件と判断してよいことになる。

 同じく10年間で10~15%下落している場合は、新築購入時の下げ幅のまま推移しているというよりむしろ少し上がっている状態で、中古として購入しても価格の下がらない物件、つまり中古の平均下落率ぐらいで安心して買えるといえる。この下げ幅が30~40%となると要注意、資産価値維持が難しいケースも多い。

 逆に騰落率が大幅に上昇している場合は、人気エリアの希少な本当に価値のある物件の場合もあるが、むしろエリア全体の相場が上がっているか、物件の販売時の価格が安かったか、上がりきって下落直前とも考えられるので、この場合は周辺の類似タイプのもの(築年数も同じもの)と比較することが重要だ。

 騰落率の上昇している物件は、持ち主(売り主)にとっては資産価値が上がっていることを意味するが、それを買う側からすると高過ぎることが多いので、慎重に調べることが必要だ。