ギフトの常識が変わろうとしている。カタログから欲しい商品を選んで注文するのではなく、WEBカタログにアクセスして注文する。だが、それだけではない。贈る人と贈られる人を結ぶ さまざまな工夫がITによって用意され、ギフトが両者の絆を一層深め、「贈る」が事業ソリューションになる。法人ノベルティ、株主優待、ポイント交換、地方活性化と多彩な利用シーンが 広がっている。こうした進化をリードするのは 「GiftPad」だ。

ギフトパッド 園田幸央代表取締役

 思わず「へぇ、これ面白いね」という声が出てしまうギフトの提供スタイルが、今話題になっている。

 例えば結婚式の引き出物。招待客に贈られたのは1枚のカードだ。印字されているURLにアクセスすると、「○○さん、 結婚式にご列席いただきありがとうございました」という新郎新婦からの動画メッセージが流れる。冒頭の○○さんは、アクセスした人の名前だ。そして商品交換ページに掲載されている贈答品から好きな物を選び、配送の手続きに移る。

 ある住宅メーカーの成約記念ギフトもやはり1枚のカード。 アクセスすると営業担当者が現れてお客さまへ向けて個人的なお礼を述べる。来場記念に鉢植えやお米などの嵩張るギフトがスマートにカード一枚になった。

 また、ある食品メーカーでは、プレゼントキャンペーンをWEBで展開。メールアドレスを登録してくれた人を対象に、指定のURLにアクセスしてアンケートに答えると、漏れなくプレゼントがもらえるというもの。つまり利用者の個人情報を把握していなくても、ロイヤルティの高い顧客の発掘にそのギフトが使えるということになる。

WEB型の
ギフトプラットフォーム

 いずれのケースも、ITプラットフォームとして利用しているのが「GiftPad」。運営をしているのは、ブランド名と同じ名称の法人ギフトパッドで、新しいビジネスモデルとして各界から注目されている。

 ギフトパッド・園田幸央社長は、「約17兆円といわれるギフト市場で、全く新しいギフトの活用策を創造し、地方創生にもつなげたい」と抱負を語る。

贈られるのは1枚のカードやチケット。表記された専用URLにアクセスすると贈った人のさまざまな思いが待っている

 GiftPadの仕組みは極めてシンプルだ。ギフトを贈る側が専用の商品交換ページを設定し、交換ページにアクセスできる専用URL(もしくはQRコード)を印字したカードやチケット、あるいはメールでURLそのものを贈る。受け取った人が商品交換ページにアクセスすると好みの商品を注文できる。

 一見するとこれだけのことなのだが、「従来のカタログ型のギフトの選べる楽しさに、ITによってギフトにさまざまな活用策や付加価値を付けることが可能です」(園田社長)。

 それぞれの立場で考えてみよう。ユニークな専用URLはギフトを受け取る人とひも付いているので、贈り主は先の例のような担当者のメッセージや関連する動画を掲載するなどして顧客とのより密接な関係を構築できる。ギフトがより効果的なマーケティングツールになる。

 また商品の交換状況をリアルタイムに捕捉できるので、「欠品」を気にしなくてもよいのは商品提供側の大きなメリットだ。「売り切れ御免」で商品を削除すれば、後からアクセスした人を「欲しかったのに」と失望させることもない。当然、人気商品の量を増やしたり、別の商品に差し替えたりするのも容易だ。

 従来の商流では、自社製品を掲載したくてもギフトメーカーが採用しなければ販促につながらない。しかしWEBカタログであれば、新たな販路拡大が期待できる。