長いセカンドライフを支える資金をつくっていくなら、「仕事で稼ぐ+運用で増やす」の合わせワザでじっくり臨むべし。では、リスクを軽減しながら効果的に運用実績を積み上げていくためにはどうしたらいいのか。運用に臨む前の準備から商品の選び方まで、そのコツと心構えを聞いた。

投資リスクの根源は
自分のなかにある

 「将来の金銭的不安に備えるなら、1本より2本の“綱”を用意しておくべき」。そう指摘するのは、独立系ファイナンシャル教育機関「ファイナンシャルアカデミー」代表・泉正人氏だ。ここでいう綱とは、まさに生活を支える“命綱”ともいえるもの。1本が「仕事で稼ぐ」という綱、もう1本が「運用で増やす」という綱を指す。

 厚生労働省が発表する、会社員の平均年収を示す「現金給与総額」を見ても、1997年をピークに減少トレンドにあり、今後も、右肩上がりの収入は期待しにくい。となれば、“転落”の憂き目に遭う前に、「稼ぐ+増やす」の合わせワザで臨むことが肝要というわけだ。

 投資というとリスクを懸念する向きもあろうが、「投資リスクの根源は、外部環境や商品自体にあるのではなく、自分自身にある」と泉氏は断言。損失を被るリスクを軽減するための仕組みとルールを作り、しっかりとセルフコントロールしていけば、大きな失敗を防ぎつつ、10年~20年と長いスパンで、運用実績を積み重ねていくことも可能だという。

集中投資+分散投資で
運用効率UP!

 泉氏が薦める資産運用法は、図(次頁)のとおり。4つのステップに従って、段階的に進めていくことがポイントだ。まず、ステップ1では、「自分の頭に投資する」。具体的には、興味がある投資商品や運用フィールドの知識を身につけることが先決となる。「わからないものに投資することほどリスクが大きい」(泉氏)ためで、ここの手間を惜しむのはご法度だ。