Youth for 3.11という学生がつくった復興支援団体がある。
この団体は、もともと東北になんのゆかりもない学生たちが東日本大震災のニュースを見て、即座にグループを作り、学生を現地にボランティアで派遣する仕組みを作った。今や学生による復興支援団体としては日本で最大になっている(登録学生数2200名)。
この団体がすばらしいのは、「若さと寝袋」さえあれば、事前にボランティアとしての研修、交通手段、宿泊施設、飲食物のサポートが受けられる仕組みを備えて、なるべくハードルを低くして、ひとりでも多くの若者を送ろうとしているところだ。
代表の船登惟希氏に、Youth for 3.11の活動について聞いた。

いま、学生が被災地でできること 求められていること船登惟希(ふなと・よしあき)1987年、新潟県生まれ。2006年東京大学理科二類入学。2010年理学部化学科卒業。現在は、東京大学大学院修士2年(理学系研究科化学専攻)。 2011年3月、学生による被災地復興「youth for 3.11」を設立し、代表となる。写真/石郷友仁

「若さと寝袋さえあれば」
学生がボランティアできる仕組み

――そもそもこの団体をつくったきっかけは?

 大学の友人4人と、東日本大震災のニュースを見ていて、「今自分たちでできることは何だろうか」と考えてミーティングを重ねているうちに、この仕組みを思いつきました。

 最初は団体のためのホームページを作って、とにかくtwitter,facebook,mixiなどのSNSを駆使して、学生集めに走りました。同時にこれから被災地支援を始めようとしているボランティア団体をネットで探して、片っ端から、「今から学生を集めて復興のボランティア団体を作ろうと思っているのですが、協力をお願いします」と働きかけました。両方を集めていくうちに、実際に学生のボランティアが必要という段階になったので、4月の初めから学生ボランティアの派遣をはじめました。

――Youth for 3.11の仕組みを教えてください

 主な活動内容の柱は、
①「若さと寝袋」プロジェクト
②「学生らしいボランティア」プロジェクト
③学生のボランティアレポートの発信と蓄積

の3つです。

 ①「若さと寝袋」プロジェクトとは、学生ボランティアのハードルを下げるために、「交通手段」「宿泊施設」「飲食物」「ボランティア事前研修」のサポートを行っています。従来は、これらをすべて自前で調達し、現地の資源を逼迫させずに帰ってくるという「自己完結型」が原則となっていたのですが、全てサポートしてくれるボランティア団体と提携することによって、学生の負担をなくすことができ、より多くの学生が現地でのボランティアがしやすい環境を提供しています。多くの学生は、ボランティアに関する経験や知識もないので、事前研修やから反省会などもパッケージ化して用意しています。

 ②「学生らしいボランティア」プロジェクトとは、学生らしいボランティア、学生がやってこそ、より効果的なボランティアをやろうという考えです。子供の遊び相手、学習指導、チャリティイベント、思い出探し、など学生にしかできないボランティアとは何かを考えています。

 ③学生のボランティアレポートの蓄積と発信とは、学生ボランティアとして登録する学生がボランティアをする際に、その経験を蓄積・発信しています。

いま、学生が被災地でできること 求められていることYouth for 3.11の公式ホームページ
http://youthfor311.jimdo.com/