物流におけるコスト削減圧力の強まり、物流資産を保有する企業の減少などを背景に、賃貸用物流施設の市場はここ10年で急成長した。この動きをリードしてきたのが、GLプロパティーズである。日本と中国に大型の物流施設を多数展開する同社は、3つのソリューションを提供している。

三木真人
GLプロパティーズ
代表取締役社長

 日本経済の成熟化を背景に、物流におけるコスト削減の圧力は強まるばかりだ。最近は、メーカー系物流子会社同士の統合という動きも目立つ。その一方で、バランスシート効率化などの観点で、物流施設を保有する企業は減少。こうしたなかで、物流施設を専門とする不動産会社として急成長してきたのが、GLプロパティーズである。同社は2009年3月に日本法人を設立、日本法人社長の三木真人氏はこう説明する。

「当社は大型の賃貸用物流施設に特化し、物流会社やメーカーなどに施設を提供しています。世界的には一般的な業態ですが、日本ではあまりなじみがありませんでした。日本でこのマーケットが成長したのは、ここ10年ほどのことです」

ランプ式の物流施設で
倉庫内作業の時間を短縮

 GLプロパティーズは日本と中国で事業を展開しており、近代的な物流施設の分野におけるリーディングカンパニーとして注目されている。日本では69棟約280万平方メートルの倉庫スペースを保有し、その稼働率は99%に達するという。

「特に大震災後、多くのお客様から問い合わせをいただきましたが、スペースに余裕がなく十分対応し切れていない状態です。現在、新たな物件の開発を進めています」と三木氏は語る。

 人気の高いGLプロパティーズの物流施設。その大きな理由は、顧客のニーズに応えていることだろう。 

国内最大のGLP大阪は、延床面積15万平方メートル超。関西では18棟79万平方メートルのスペースを保有する

 
「当社が日本で展開する物流施設の多くは、多階層のランプ式です。一般的な倉庫はエレベーターを使用しますが、ランプ式はトラックで上層階まで荷物を運ぶことができます。これにより、倉庫内作業の時間を3分の1程度まで短縮することが可能です」

 ペース単価だけでは測れない、物流施設トータルでの競争力の高さ。そこには、効率以外の付加価値も含まれる。

 

GLP東京Ⅱの延べ床面積は 10万平方メートルを超える。関東圏での保有スペースは32棟153万平方メートルに達する

「当社は物流施設の開発から保有、運営までを一気通貫で行っています。そのなかで、日頃から多くのお客様のニーズに接しています。一つひとつは細かいことですが、それに対応し続けることで施設やサービス、オペレーションを進化させてきました」(三木氏)