なんらかの理由から英語で仕事をしなければならなくなったとき、まず困るのがリスニング。そして、つい「教材を買って、リスニング力の基礎をつくろう」と思うはず。しかし、忙しいビジネスマンにとって、そんな悠長なことを言っている時間はない。まずは相手の英語を聞き取れなくても、1対1の場面で相手の内容を理解できれば、ある程度は問題なく仕事を進められるようになる。今回は、聞き取れない人でもできる「聞く技術」とは?

聞き取れないときは、
なんとしてでも相手の話を途中で止める

 日本人の常識として、なんとなく「相手の話を遮るのは失礼だ」という意識があります。

 もちろん、相手の言うことを意図的に遮って、自分の意見を言うことはあります。ただし、これは、政治家が討論しているときや、感情的な評論家が誰かを責めているとき、あるいは、喧嘩をしているときなどです。つまり、日本人にとって、相手を遮ったり止めたりしていいのは、相手との人間関係が重要でないケースに限ります。

 逆にいうと、相手を遮らない、相手を止めないことは、会話相手との人間関係を保つために大切な要素なのです。しかし、これも英語で仕事をしようとするときには障害になります。

 英語を話す人の中には、日本人との会話に慣れている人もいます。相手がどれだけ理解しているかを途中でチェックする人などもいて、こちらからしてみれば、とても付き合いやすい人たちです。

 しかし、英語は「意見表明」の言語ですので、相手が誰であろうと機関銃のようにまくしたてて話す人が必ずいるものです。日本人的にいうと、まるで「言い合い」のようなことを普通の会話で当たり前にする人たちです。あからさまに「負けないようにしゃべる」という発想を持っている人もいます。

 彼らにとって、遮られることや話を止められることは、ごく自然なことであり、まったく失礼ではないということを知ってほしいのです。そして、どんどん会話に割って入ってください。