配当を狙う投資家のためのスクリーニング方法<br />単に配当利回りが高いからという理由で飛びついてしまうのはご法度!

 配当狙いの投資では、長期間安定して配当を受け取れるかどうか、逆にいえば企業がきちんと配当を出し続けられるかどうかを見極めることが重要になってくる。そのためには、次の5つの条件で銘柄を絞り込めばいいとクォンツ・リサーチの西村公佑さんはアドバイスする。

予想PERで配当を出せる余裕があるかを確認して、PBRでは企業の成熟度を見ます。また、借入金が多いと将来の減配リスクが高くなるので、自己資本比率で安全性の高い銘柄を絞り込み、時価総額と売買代金を見て流動性をチェックします

 銘柄を絞り込んだ後は、必ず業績もチェックしておきたい。
売上高と経常利益を少なくとも5年分は見て、安定して推移している銘柄が望ましい」(西村さん)

 右肩上がりであればそれに越したことはないが、「配当がきちんと出せる収益基盤であることが大事。たとえば、多少減益の年があったとしても構いません。ただし、赤字と黒字を繰り返すなど業績の浮き沈みが激しい企業は避けたほうがいい」(西村さん)。

 また、為替の影響で利益が大幅に左右されたり、半導体関連のように数年単位で需給に波がある企業も、配当狙いの投資では避けたほうが無難だ

 ただし、リーマンショック直後の09年3月期は業績が大きく落ち込んだ企業が多いので、この年は特殊要因として除いて考えてもいいと西村さんはいう。

 高配当株は長期保有が基本だが、保有リスクを少しでも軽減するため、マネックス証券の金山敏之さんは「株価が配当の10年分くらい上昇した場合には、いったん利益を確定するというのもありだと思います」と語る。