第8回目は、グローバルで活躍できる人材やグローバルリーダーをどうやって育てるのかについて、外資系トップの言葉をご紹介する。グローバルとローカルの意識が必要であると語るアクセンチュアの程近智氏にご登場いただく。

 グローバルに展開する自社でどのようにグローバル人材を育てているか、さらにはその上でどんなグローバル人材の育成法があるのか、語ってくれたのが、アクセンチュアの程近智氏である。

 世界53カ国200都市以上を拠点に120カ国以上で経営コンサルティング等のサービスを展開、約2兆円の売上高を誇るグローバル企業の日本法人、約5000人を率いる。

 程氏は日本生まれだが、国際人になれ、という両親の方針で、小学校から高校までの12年間、インターナショナルスクールに通っていたという。校内にいるときには、英語しかしゃべれない。また、いろいろな国の子どもたちが通う国際色豊かな環境の中で、多様性を自然に受け入れることができたと語る。

 その後、アメリカのスタンフォードに学び、新卒で入社、45歳の若さで社長に就任して6年が過ぎている。終始、和やかな雰囲気の中で進んだ取材では、アクセンチュアという会社を例に興味深い話がいくつも飛び出した。

誰が社長になっても変わらない
完成されたグローバル経営の仕組み

第8回<br />グローバル人材の育成方法<br />若手社員は二度海外へ行けアクセンチュア株式会社 代表取締役社長 程近智氏

「あるアナリストにこんなことを言われました。アクセンチュアのグローバル経営は、基本的に誰が社長になっても、あまり変わらない。仕組みとパートナーシップがしっかりしているから。実際、幹部はみんな一緒に育ってきた人間たちなんですよ。将来のリーダー候補ということで、トレーニングを含めて、いろんな局面で顔を合わせている。だから一体感があるんですね。以前の社長はアメリカ人でしたが、今の社長はフランス人で、フランスから指揮をとっています」