グローバル化の進展に伴い、英語力を求める企業が増えている。外資系やグローバル企業だけでなく、最近はIT系や製造系のエンジニアにも英語力が求められている。専門性やスキルに英語力を付加すれば、キャリアアップの強力な武器になるはずだ。

エンジニアにも
英語力を求める企業が増えている

リクルートキャリア
ハイキャリア・グローバルコンサルティング部
安来裕爾氏

 グローバル化の進展で英語力を求める企業が増えている。

 ビジネスシーンが表れる転職市場において最近の傾向として顕著なのはIT系や製造系のエンジニアに“英語上級”を求めるケースが増えていることだという。

 リクルートキャリアの転職支援サービス「リクルートエージェント」の基準では、英語上級とはTOEIC800点以上、英語中級とは、TOEIC600点台半ばから800点未満が目安となる。

 リクルートキャリアのハイキャリア・グローバルコンサルティング部安来裕爾氏はこう語る。

 「現在、弊社が提供する転職支援サービス『リクルートエージェント』のデータでは、転職求人倍率は2018年1月末時点で1.82となっており、高水準で推移しています。採用意欲が高いのは、インターネット、コンサルティング、建設不動産業界です。

 英語力を求める企業は、求人全体の数からすればまだ少ないのですが、興味深いのは、年収が高い求人ほど英語力を求める割合が高くなっていること。当社に求人があるIT企業のうち、英語上級者を対象とした求人の約8割が年収800万円以上になっています。また英語中級者を対象とした年収800万円以上の求人は、約3倍になります。もちろん、専門的なスキルを持っているからこそ評価が高くなるのですが、それに英語力が加わることで、より有利な条件での転職が可能になります。今は、専門スキルと英語力を兼ね備えたエンジニアの求職者が少ないため、完全な売り手市場。つまり英語力のあるエンジニアの方は、それだけチャンスがあるということになります」