直感は「持って生まれた天才のヒラメキ」と思っていないだろうか? 実はトレーニングによって開発できるし、理性や論理と結びつけることで問題解決ができる。優れた経営者は皆こうした直感力の持ち主だ。

経営者が直感を使う5つの方法

 成功する経営者の頭脳には直感力がぎっしりつまっている。彼らに企業の財務報告書を渡してみれば、その企業の長所、短所、将来性を実に的確に査定してくれるだろうし、人事に関する課題を相談したなら、その問題を把握し、解決策あるいはとるべき方針を直感的に示してくれるだろう。同じ問いを直感力のない経営者に投げかけても、経営学のテキストから寄せ集めたような、くだらない答えが返ってくるだけだろう。

 ハーバードビジネススクールの教授、ダニエル・イーセンバーグは、大企業の経営層16人について研究調査を行った。数日間彼らの仕事を観察、インタビューを行い、成功の秘訣を探るために用意した課題に実際に取り組んでもらった。イーセンバーグは、成功した経営者たちが直感を用いる理由を次の5つに分類している。

1.問題の発生を感じ取るため。
2.身につけた行動パターンを素早く実行するため。
3.別々のデータや経験をまとめて、全体を見通す“絵”を作りあげるため。
4.合理的な分析の結果を検討するため。感情と知性が“一致”するまで探求し続ける。
5.綿密な分析を飛ばして、ただちに解決策を見つけ出すため。